東急ハンズの「から焼不要 鉄フライパン」シリーズ
先日、久しぶりに当サイト管理人が住む県の中心街に出かけたので、ついでに東急ハンズに寄ってきました。
東急ハンズの調理器具コーナーは、厳選された優れもの商品ばかりが置いてあるので、ついつい足を止めては長居してしまいます。
今回もいくつかの商品に心奪われてしまいましたが(笑)、特に魅了されたのが、東急ハンズオリジナルの「から焼不要 鉄フライパン」シリーズ。
店頭で確認した限りでは、20cm、24cm、26cm、そして28cmの炒め鍋、卵焼き器の計5種類がありました。
5種類とも、持ち手の部分は金属ではなく、茶色の木の柄で統一。
手に取ってみると、ホームセンターなどで販売されている、ふつうの鉄フライパンよりも少し重く感じましたが、表面が青みがかった、独特な光沢があります(卵焼き器は除く)。
「から焼不要」の意味
最近、この「から焼不要」タイプの鉄フライパン製品が、少しずつですが増えているんです。
でも、そもそも「から焼不要」って何なのか、意味が分からない方もおられると思うので、少し説明します。
一般的な鉄フライパン製品は、そのままではとても錆びやすいので、表面にクリアラッカーやシリコンなどで錆止め塗装が施された状態で流通、販売されています。
そのため、鉄フライパン製品を購入したら、まず最初に空焼きして、錆止め塗装を焼き切る必要があります。
また、空焼きには単に錆止め塗装を焼き切るだけでなく、鉄の表面に酸化皮膜を作ることによって、鉄フライパンを本当の意味で錆びにくく、調理中に食材をくっつきにくくする効果もあります。
つまり、鉄フライパンにとって最初の空焼きは、仮の錆止め塗装をはがして、本当の錆止め効果、くっつき(焦げ付き)防止効果を発揮するための、とても大切な作業なんです。
ところが、この空焼き作業、フライパンを10~20分前後くらい、高温で焼き続けなければならないので、実はかなり面倒な作業。
しかも、最近主流のセンサー付きガスコンロやIHヒーターは、空焼き防止機能があるので、錆止め塗装を焼き切るのはほぼ不可能。
この面倒な空焼き作業を済ませた状態で販売されているのが、「から焼不要」タイプの鉄フライパン製品というわけです。
製造元はリバーライト社
ただ、本来は購入者がしなければならない面倒な作業が済ませてある分、一般的な鉄フライパン製品よりは、かなり高価です。
たとえば、「から焼不要」タイプの鉄フライパン製品の中では最も有名な、リバーライトというメーカーの、「極JAPAN」というブランドの26cmフライパンは、6000円以上します。
一般的な26cm鉄フライパンだと、安いものだと2000円前後から購入できるので、かなりの高嶺の花的な製品なんです。
ところがです。
今回ご紹介している東急ハンズオリジナルの「から焼不要 鉄フライパン」シリーズも、実はリバーライトの製品。
しかも、26cmのフライパンが3066円(税込)と、「極JAPAN」の約半額で買えてしまうんです。
正直、店頭でこの衝撃の事実に気づいた時には、思わず「あっ!」と声を上げてしまいました(笑)。
調理面を保護している簡易紙パッケージに、「製造元 リバーライト株式会社」と書いてあるんですから。
もちろん、価格差があり過ぎるので、「極JAPAN」と全く同じではないとは思いますが、リバーライトの鉄フライパン製品がもうちょっと安かったら買うのに、と思っていた方にはおすすめです。
使用後の手入れも簡単
実は、当サイト管理人は、1年ちょっと前に買ったふつうの鉄フライパンを自分で空焼きし、ただ今絶賛育成中(鉄フライパンは育てる道具なんです)なので、今回はフライパンではなく、卵焼き器を買ってみました。
紙パッケージを外したら、こんな感じ。
「から焼不要」とはいっても、リバーライトの鉄フライパン製品は特殊熱処理(窒化加工)を施してあるので、単なる空焼き不要以上の効果があります。
たとえば、一般的な鉄フライパンだと、使用後は洗ってから空焼きして水分を飛ばし、十分乾いたら油を薄く塗る作業が欠かせませんが、リバーライトの製品なら、水気を切って自然乾燥するだけでいいそうです。
日々の手入れも、一般的な鉄フライパンにくらべるとかなり楽です。
簡易紙パッケージの裏に、「サビにくい鉄フライパンの開発」という、興味深い文章があったので引用してみます。
鉄のフライパンで調理すると、料理の仕上がりが良く、使う程に使いやすさを増していき、丈夫で長持ちするなど、鉄ならではの良い特性があります。この「鉄の良い特性はそのままで、サビずにお手入れが簡単になったら調理道具として究極なんだけれど…」と常々考えていました。耐久性(強度、防錆力)を強く要求される機械部品に使われている特殊熱処理(鉄の表面を窒化する)技術があることを知り、早速、鉄のフライパンで試した結果、極めてサビにくく、油なじみの良い強靭な鉄に変化することを確認しました。”サビにくい鉄フライパン”の誕生です。
ネギ入り卵焼きを焼いてみた
さっそく、購入したばかりの「から焼不要 鉄卵焼き」を使って、卵焼きを焼いてみました。
簡易紙パッケージには、毎回使う前に油返しをすることがすすめられていますが、面倒くさかったので、油を染み込ませたキッチンペーパーで調理面全体を拭くだけにしました。
※ 油返しとは、中華の料理人さんがよくやっている、火をつけた中華鍋に多めの油を入れては、またオイルポットに戻す作業のことです。
卵液がくっつくかな?と思いましたが、まったくこびりつくことなく、上手に卵焼きが焼けました。
今回は、ネギ入りの卵焼きにしました。
濃口醤油も使ったので、茶色がかってますが(笑)。
ただ、油返しをしなかった分、まだ卵焼き器に油がなじんでいないのか、鍋肌からすぐに油がなくなるので、毎回卵液を流し込む前に、キッチンペーパーで油を引きました。
これから何度か使っていくうちに、油がなじんで、それほど頻繁に油を引くなくてもよくなるかもしれません。
とにかく、卵焼き器を使用後に洗ってから、油を塗る作業をしなくていいのは本当に楽です。
実は、10年物のやはり鉄の卵焼き器も持っていますが、手入れが悪いので、しばらく使わない間にサビサビになっていました。
我が家の卵焼き器の世代交代です。
さて、東急ハンズオリジナルの「から焼不要 鉄卵焼き」。
果たして何年もってくれるのか、楽しみなところです。