赤じそを漬けない白梅干しなら簡単
梅干しを手作りするなんて大変、と思っている方は多いと思います。
でも、実はとっても簡単で、家庭で天ぷらを作るほうがよほど大変なくらいです(笑)。
当サイト管理人も家族も特に梅干し好きではないんですけど(笑)、梅が不作で値段が高すぎる年以外、毎年レジャー感覚で、少量ずつ(2~3kgていど)梅干しを手作りしています。
毎年6月の梅雨の時期に、完熟梅の何ともいえないフルーティーな香りを胸いっぱい吸いこむのも、梅干し作りの楽しみのひとつになっています。
我が家で手作りしている梅干しは、赤じそを入れない「白梅干し(しらうめぼし)」というタイプ。
完熟梅を塩漬けにしたら、あとは梅雨明けの天気の良い日に干して、保存容器にしまうだけなので、管理人のような超面倒くさがり屋でもできるんです(笑)。
赤じそも漬け込まなければならなかったら、心が折れているかもしれません(笑)。
あと、個人的に梅干しのしそが薬くさくて苦手だということもあります。
素麺の薬味や、お寿司に使われているしそは全然気にならないんですけどね。
また、管理人の白梅干しの作り方は減塩ではなく(塩分18パーセント)、使い捨てのビニール製漬物袋とプラスチック漬物樽で漬けるので、焼酎などによる面倒なアルコール消毒も必要ありません。
にもかかわらず、昔ながらのかめやホーロー容器で漬ける梅干し作りよりカビも生えにくくなっています。
完熟梅の選び方
まずは、完熟梅の選び方について。
管理人が住んでいる西日本では、6月中旬から下旬にかけて、スーパーなどの店頭で完熟梅がならびます。
6月下旬になるほど、赤く色づいた梅干し作りに最適な完熟梅が出回りますが、あっという間に売り切れて店頭からなくなってしまうので、買い時のタイミングがむずかしいんです。
なので、管理人は毎年、6月の第3週の週末に完熟梅を買って、土曜か日曜に漬けることにしています。
完熟梅は、1kgのビニール袋詰めで売られているのがふつうですけど、全体が杏のような黄色で、桃のような赤みが差している梅がちらほら入っているものがおすすめ。
青っぽい梅が入っている袋よりは、少々痛みかけの梅が入っているくらいの袋のほうが、出来上がりの梅干しはやわらかくなります。
黄色い梅の中に青っぽい梅が混ざっている袋しかない場合は、袋を開けてから、「追熟」といって、黄色くなるまで2~3日放置しておきます。
家の中が梅の甘い香りでいっぱいになって、なかなかおつなものです。
また、わざわざ手作りするなら、2L(ツーエル)以上のサイズの梅が出来上がったときに果肉たっぷりの梅干しになるのでおすすめです。
Lサイズ以下の小さい梅で作ると、果肉が少なくて種と皮ばかりになりがちです。
梅干しを漬ける量ですが、初心者の方は2~3kgから始めるのがおすすめです。
1kgだと量が少なすぎて、梅酢が上がりにくいです。
出来上がった梅干しは、少人数の家族やシングルの方だと、1年かけても食べ切れない量になるかもしれませんが、常温保存で何年も保ち、カビたり、腐ったりはしません。
むしろ、数年かけて食べ続ければ、毎年作る手間がはぶけて良いかもしれません。(笑)。
なり口のホシ取りと梅の状態の確認
買ってきた完熟梅1袋分をボウルに空けて、キッチンスケールで重量を計り、メモしておきます。
1kg入りとはいっても、実際には1kg未満の場合が多いです。
ボウルをキッチンスケールから下ろし、面倒くさくなければ、梅のなり口(枝についていたところ)に残っているホシ(ヘタ)を取り除きます。
枝が少し出ていれば指で取れますが、取れない場合は、梅の皮をできるだけ破かないよう、つまようじでほじって取り除いてください。
このホシを取り除かないと、出来上がった梅干しに渋みやえぐ味が残るといわれています。
管理人は一度、忙しかったのでホシを取らずに梅干しを漬けたことがあるのですが、鈍感なのか(笑)、いつもの梅干しとの違いがわかりませんでした。
ただ、なり口の部分に白いカビが生えている場合もまれにあるので、ホシは取らなくても、1個1個の梅の状態は確認し、傷んでいるものやカビが生えている梅は別にしておいて、使わないようにしてください。
実は管理人は、傷み具合によってはその部分だけナイフで削り取って使うこともありますが、梅干し作り初心者のうちは使わないほうが無難です。
ホシを取り除いた、または状態を確認した梅は、別のきれいなボウルに入れてください。
完熟梅の水洗い
1袋分のホシ取りと梅の状態の確認が済んだら、梅が入っているボウルをシンクに持っていって、完熟梅を水洗いします。
梅が入ったボウルに水を張って、両手を使って優しく振り洗いします。
2、3回水を替えて振り洗いしたら、ザルにあげて水を切ります。
1袋目がすんだら、2袋めの完熟梅をまた同じように、重さをはかってメモし、ホシを取り、傷んだ梅を除いて、水洗いし、ザルに空けます。
買った完熟梅の袋の数だけ、この工程を繰り返してください。
大きなザルがあれば、洗った梅を全部まとめて入れてもいいですし、なければいくつかのザルに分けて水を切ってください。
なお、完熟梅を洗った後でしばらく水に浸けたままにしておく、「アク抜き」という作業がありますが、管理人はしたことがありません。
毎年買っている南高梅の袋にアク抜き不要と書かれているからですが、南高梅ではない完熟梅を買った場合もしません。
黄色や赤色に完熟した梅なら、アク抜きをする必要はないのではと個人的には思います。
20~30分くらいそのままにして、洗った完熟梅の水気を切ります。
時間がない場合は、5~10分ていどでもかまいません。
梅干しの塩分は18パーセントがおすすめ
完熟梅の水が切れるのを待っている間に、メモしておいた各袋の梅の重量を合計します。
傷んだり、カビが生えていて別にした梅は、全部まとめてキッチンスケールで重さをはかり、合計重量から引いておきます。
管理人の梅干しの塩分量は、漬ける完熟梅の重量の18パーセント。
何年か試行錯誤して、このパーセントに落ち着きました。
減塩というわけではありませんが、その分、ホワイトリカーや焼酎などのアルコール消毒無しで作れますし、出来上がった梅干しは常温保存で何年も保ちます。
実際に漬ける完熟梅の総重量の18パーセントを計算して、その重さの塩を用意します。
管理人は今回、3袋(3kg)の完熟梅(見切り品で1袋400円の2Lサイズ南高梅)を買いました。
傷んだ梅が2個出たので、使える梅の総重量は2965g、その18パーセントで約534gの塩を用意しました。
梅干作りに使う塩は、さらさらしたものよりも、しっとりした粗塩(自然塩)が梅にくっつきやすく、梅酢が上がりやすいのでおすすめです。
管理人が使っているのは、スーパーでも手に入りやすい、赤穂の天塩。
ビニール製漬物袋とプラスチック漬物樽を用意
次は、完熟梅を塩漬けにするための容器を用意します。
管理人が使っているのは、どこのホームセンターでもふつうに売られている、プラスチックの漬物樽。
いろいろなサイズがありますが、管理人のおすすめは10L(リットル)の漬物樽。
正直、2~3袋ていどの完熟梅を漬けるていどでは、10Lの漬物樽の半分にもなりませんが、その分、梅酢が上がってから干すまでの間、重石をした状態でも漬物樽にフタをしておけるので、ホコリも入らず衛生的です。
漬物樽は、使う前に中を軽く水洗いして、タオルで水気を拭き取ってください。
梅が直に接するわけではないので、アルコール消毒は不要です。
漬物樽の中に、漬物用ビニール袋(漬物袋)をすっぽりかぶせます。
漬物袋もホームセンターに必ず置いてあるので、持ってない方は買っておいてください。
10Lの漬物樽だと、「0.5斗」というサイズの漬物袋がおすすめです。
新品の漬物袋なら、中は無菌レベルできれいだと思うので、こちらもアルコール消毒の必要はありません。
梅干しを作る時は、毎回新品の漬物袋を使うようにしてください。
なお、漬物袋は意外と穴があきやすいので、爪などで傷つけたりしないよう、丁寧に扱ってください。
わずかでも漬物袋に穴が開くと、そこから梅酢が漏れ出してきます。
完熟梅を塩漬けにする
漬物袋をかぶせた樽の底にぱらぱらと塩をまき、水気が切れた完熟梅を両手(素手でかまいません)ですくって、ゴロゴロと入れていきます。
一つ一つ丁寧に並べる必要はありません。
この時、梅に付いている水気をふきんなどで拭き取ったりしないようにしてください。
むしろ、梅に適度に水気が付いているほうが、塩がくっつきやすく、梅酢が上がりやすくなります。
梅酢が早く上がるので、ホワイトリカーや焼酎を使ったアルコール消毒無しでできます。
管理人も以前は、一般的な梅干しの作り方でホワイトリカーも使ったのに、カビが生えて困った経験がありますが(笑)、この方法に変えてからは、すでに5~6回は作ってますが、カビが生えて失敗したことは一度もありません。
樽の底が梅で見えなくなったら(だいだいでいい)、また塩をぱらぱらとまき、塩をまいた面が見えなくなるまで、また梅をゴロゴロと入れていきます。
このように、塩・梅・塩・梅と交互に入れていき、最後の梅の上にまく塩が残るくらいに配分してください。
塩漬けした梅に重石をする
最後の塩をまいたら、漬物袋の口をしぼって、できるだけ上の空気を抜き、さらにねじって、上の方を袋止めクリップ(パチック)で挟んでおきます。
袋止めクリップを下敷きにしないように、漬物袋の上に漬物樽付属の押し蓋をのせて、漬物用重石を置きます。
重石は、水(梅酢)が上がるまでは完熟梅の重量の2倍、水(梅酢)が上がったら完熟梅と同じ重さにします。
これもだいたいでかまいません。
今回の例では、管理人は約3kgの完熟梅を漬けたので、最初は3.5kgと2kgの重石をし、水(梅酢)が上がったら、2kgの重石を取って、3.5kgにしました。
漬物用重石も、ホームセンターに必ず置いてあるので、2kg、3kg、1kgなど、いろいろなサイズの重石を少しずつ買い足して、揃えておくと便利です。
水を入れたペットボトルなどで代用できないわけではありませんが、梅干し作りの成功の鍵は重石にあるといってもいいくらいなので、ぜひとも漬物用重石を使うことをおすすめします。
なぜかというと、梅干し作り失敗の原因はほぼ100%カビですが、きちんと重石の圧をかけて、塩漬けの梅が梅酢の中に浸っている限り、カビは絶対に生えないからです。
重石代わりのものだと、バランスをくずしやすいので、塩漬けした梅がいつの間にか、梅酢から出てしまっていたということもありがちです。
梅酢から梅が出て空気に触れている部分が少しでもあると、必ずそこからカビが生えてきます。
しかし、漬物用重石なら全体に均一に圧がかかるので、バランスがくずれにくく、梅が梅酢から顔を出すことはほとんどありません。
また、この方法だと、常に漬物袋が梅の上全体にピタッと張り付いているので、表面張力でさらに梅が梅酢から出にくくなっています。
また、重石や押し蓋も梅に直に接するわけではないので、アルコール消毒しておく必要もありません。
ただ、漬物袋に穴が開き、梅酢が漏れ出す可能性もあるので、重石と押し蓋は事前に水洗いや水拭きをして乾かし、清潔な状態にしてから使ってください。
重石をのせたら、梅酢が漏れ出さないよう、漬物袋の口の袋止めクリップを挟んだ部分を、できるだけ上の方にあげておいてください。
塩漬け梅を干すまでの管理(重要)
あとは、梅酢が梅全体を浸すまで上がるのを待ち、梅酢が上がったら、梅雨明け以降の、梅を干す(土用干し)のに最適な天気が来るのを待つだけ。
しかし、実は梅干し作りはここが一番重要で、気の抜けない段階です。
というのも、せっかく仕込んだ梅にカビが生えて台無しになるのは、まさにこの段階。
梅酢は早く上がれば上がるほど、カビが生える可能性は低くなります。
これまで説明した通りにされていれば、梅酢は早く上がってくるはずです。
今回だと、重石をのせてから丸1日(24時間)後には、梅の高さの2/3まで梅酢が上がっていました。
2日後には、梅酢が梅全体を浸すまで上がっていたので、重石を減らしました。
なお、1日経って、梅酢があるていど上がっていたら、重石と押し蓋を取り、漬物樽を斜めに傾けて、まだ梅酢が上がってない部分にも梅酢を浸すようにしてから元に戻すと、よりいっそう梅酢が早く上がりやすくなります。
重石を減らした段階で、10Lの漬物樽なら、余裕でフタができるはずです。
フタをするとホコリなどが入らないので、そのまま、土用干しまで塩漬けした梅を見守ってください。
できれば毎日1回、漬物樽のフタを開けて、重石のバランスがくずれていないか、カビが生えていないか、梅酢が漬物袋から漏れ出ていないか、確認してください。
梅酢が上がってからも、日が経つにつれて、塩漬け梅からさらに梅酢が少しずつしみ出てくるので、梅酢の水圧で重石のバランスがくずれてしまうことがあります。
重石が斜めに傾いていたら、水平になるように調整してください。
また、押し蓋のある部分は大丈夫なのですが、注意しなければならないのは、押し蓋から外れた周囲の部分。
この部分の漬物袋に空気がたくさんたまっていると、梅が梅酢から出てしまい、カビが生えたり、梅酢がにごる原因になります。
もし空気がたくさんたまっていたら、重石と押し蓋を取って、袋止めクリップで止めた漬物袋の口を少し上に持ち上げるようにして、漬物袋の上から空気の部分を指で優しくなでるようにして中心部分に寄せて、空気を逃してください。
気泡ていどならば、そのままでかまいません。
今回、管理人は空気のたくさんたまった部分を放置していたので、その部分の梅が梅酢から少し出てしまい、梅酢がちょっとにごってしまいました。
梅酢がにごる原因は、産膜酵母という酵母菌で、白菜の塩漬けやぬか漬けなどにも必ず出てくる、無害な菌です。
漬物袋にたまった空気に早めに気づいて、空気を逃がせば、白い膜や浮遊物ができたりはしないはずです。
また、産膜酵母は空気と接している梅から発生して、増殖しますが、漬物袋で漬けると梅が空気と接する面積がほとんどないので、産膜酵母がよりいっそう発生しにくくなっています。
もし漬物袋から梅酢が漏れ出ていたら、梅と梅酢をボウルなどの大きな容器に避難させ、漬物樽、重石、押し蓋を洗い、タオルで拭いて乾かし、もう一度新品の漬物袋をかぶせて、元の状態に戻してください。
管理人は、梅干し作りで漬物袋から梅酢が漏れ出た経験は一度もありませんが、同じ方法で冬場に大根を漬けていた時、水が漏れ出たことは何度かあります。
なお、漬物樽のフタを開け、上から見て何も問題がなければ、重石や押し蓋を取ったり、漬物袋を動かしたりしてまで確認する必要はありません。
気になる場合は、確認してもかまいませんが、できるだけ早く元の状態に戻してください。
あまり過保護にならず(笑)、静かに見守ってあげてください。
塩漬け梅を干す(土用干し)
梅雨が明けて、焼け付くような夏の日差しが続くようになったら、梅を干す絶好のタイミングです。
塩漬けした梅を干すことを「土用干し」といいますが、まさに7月下旬から8月上旬にかけての「土用」は、梅を干すのに最適な時期です。
ただ、土用でも天気の良くない年もありますから、カンカン照りが続く日を待って、梅を干すようにしてください。
梅を干すのに最適な時期はちょうど夏休みとかぶっているので、お子さんがおられる方は、夏休みに手伝ってもらえば、一生の思い出になると思います。
まず、漬物樽のフタを開け、重石と押し蓋を取って、漬物袋を開けてください。
最初のうちは無色透明だった梅酢も、この頃には梅の成分が滲み出て、琥珀色になっているはずです。
ボウルにザルをのせて、梅酢の中から梅をお玉と箸ですくい上げて、ザルに全部移してください。
5~10分ていどそのままにして、ザルから梅酢がたれなくなったら、台所や廊下、縁側など、汚れてもよい場所に新聞紙を厚めに引いて、梅干用のザルを置き、梅を並べていきます。
管理人はしっとりした梅干しが好きなので、カラカラに乾かないよう、梅をすき間なく、ギュウギュウに並べています。
梅干用のザルもホームセンターで売られていますが、2~3kgていどの梅なら、ざる蕎麦で使う竹製の盆ザル数個でも十分間に合います。
管理人は、ざる豆腐を買ったときに付いていた竹製のザルを取っておいて、それを使ったりもしています(笑)。
プラスチック製のザルは、真夏の直射日光に当てると劣化して早くダメになるので、土用干しにはおすすめしません。
ザルに梅干しを並べたら、直射日光ができるだけ長い間当たる場所に置いて、干してください。
我が家は古い一軒家なので、1階の屋根瓦に置いてますが、アパートやマンションならベランダとか、干物や干し野菜用のネットやかごを利用するなど、お住まいの環境に合わせて工夫してください。
カンカン照りの太陽なら、日差しの強い午前10時くらいから午後4時くらいまでの間の4~5時間も干せば、1日だけでも梅の表面が乾くはずです。
昔から梅干しは三日三晩干せと言われますが、現代の日本ではそれもなかなか難しいと思うので、2日間、日中だけでも干せれば上出来だと思います。
管理人の場合、たいてい1日だけ日中に外で干して、夜はザルのまま廊下で冷ましておき、翌日に保存容器に移すことが多いです。
1日だけ干す場合は、面倒くさいので梅は裏返さず、片面だけをしっかりと干すことにしています。
というのも、日中に梅を裏返そうとすると、ザルにくっついていて破れてしまうことがあるからです。
一晩放置しておくと、乾いた梅から湿気が出てきて、ザルからはがれやすくなります。
時間的・体力的な余裕(笑)がある年は、翌日も梅を裏返して、日中だけ干すこともあります(計2日間)。
太陽に干す前の塩漬けの梅は「梅漬け」と言いますが、干して初めて、「梅干し」に生まれ変わります。
梅漬けと梅干しとは、まったくの別物です。
直射日光にしっかりあたった梅干しからは、甘酸っぱい香りとともに、太陽のにおいがします。
適度に水分が抜けることで、果肉がやわらかいドライプルーンのような、ねっとりとした食感になります。
また、白梅干しは赤紫蘇を入れませんが、太陽の光に当たることによって、梅干しらしい、ほんのり赤味をおびた茶色になっていきます。
下の画像は、今回土用干ししたばかりの梅(左)と、2年前のもの(右)です。
保存容器にしまってからも、白梅干しの色は少しずつ赤くなっていきます。
土用干しは、お住まいの環境によっては難しい場合もあるとは思いますが、何とか知恵をしぼって実行に移すことをおすすめします。
たとえば、海水浴やキャンプに行くついでに、梅酢を切った梅を漬物袋に入れて持って行って、ついでに干して帰るとか(笑)。
人が多いと恥ずかしいかもしれませんが、それくらいの労力を払ってでも、土用干しはする価値があると思います。
なお、ザルを置く場所によっては、ザルから滲み出た梅酢の酸で傷む可能性もあるので、レジャーシートや新聞紙を厚めに引くなど、工夫してください。
梅干しと梅酢の保存
土用干しが無事すんだら、干し上がった梅干しを容器に入れて保存します。
出来上がった梅干しは年単位で保存するものなので、容器は酸に強いガラス製や陶磁器がいいと思います。
管理人は、自宅にある密閉タイプの大小いろいろなガラス容器に入れて、保存しています。
近年のお気に入りは、イワキの密閉タイプ耐熱ガラス容器。
フタにバルブが付いていて、一度閉めると簡単にはフタが開かないようになっています。
ガラス容器で気をつけなければならないのは、フタが金属だと錆びてしまう点です。
フタがプラスチックのガラス容器を使うようにしてください。
また、梅酢もできればガラスか、陶磁器の容器に入れて保存したほうがいいと思います。
管理人のおすすめは、醸造酢やポン酢、果物ジュースなどが入っていたガラス瓶を洗って数本取っておいて、梅酢の保存容器として使うことです。
もともと酢や酸味のあるフルーツが入っていた瓶なので、フタはプラスチックの場合がほとんどで、錆びる心配もありませんし、使い勝手も良いです。
今回、管理人はお中元で頂いた国産みかんジュースのガラス空き瓶に入れました(笑)。
ちなみに、梅と一緒に梅酢も干すこともあるようですが、管理人はしたことがありません。
梅酢の賞味期限(保存期間)も、塩分18パーセントで問題なく出来上がったものなら、常温保存で数年は十分に保ちます。
使う前ににおいを嗅いでみて、梅のよい香りがして、ちょっと手に出してなめても違和感を感じないなら、使っても大丈夫だと思います。
今回は不手際で梅酢が少しにごりましたが、土用干しの時点では梅酢が比較的澄んでいたので、これまで通り、干すことも火入れもせず、産膜酵母が付着した漬物袋の上の部分だけを切り取って梅酢を出し、保存することにしました。
幸い、梅酢を入れたガラス瓶が透明なので、何か変化があっても見過ごすことはないと思います(笑)。
※ 追記:1ヶ月もたたないうちににごりは全部底に沈殿して、梅酢は完全に透き通った状態のまま、1年たっても良い香りで、使い続けています。(2019年7月)
土用干しがすんだ梅干しは、保存容器に入れた時には乾いていますが、しばらくすると、蜜のようなねっとりとした琥珀色の液体(梅酢?)が滲み出てきて、保存容器の底にたまるようになります。
この液体のおかげで、梅干しはいつまでもしっとりとした状態を保つことができるので、保存容器の中の梅干しが全部なくなるまでは、ある程度残しておいたほうがいいと思います。
また、梅干しが出来上がってからも、毎年保存容器から出して、土用干しすることもあるようですが、管理人はしっとりしたやわらかい梅干しが好きなので、したことはありません。
今回も2Lの完熟南高梅を使ったので、とろとろの梅干しができました。
干し上がったばかりの白梅干しは中が黄色いのですが、保存容器の中で熟成されていくうちに赤茶色になっていきます。
これで、梅干し作り(梅仕事)の全作業は終了です。
ご苦労さまでした。
終わりに
梅干しは、3年くらいたったほうが塩の角が取れて、美味しくなると言われています。
しかし、我が家には数年分の梅干しをストックしておけるような場所の余裕はないので(笑)、干し上がったらすぐに食べ始め、1~2年で食べ切るよう心がけています。
そうすれば、保存容器の数も最低限で済みますし、使い回して使えます。
また、梅干し作りで使った漬物樽や重石ですが、梅干し作りだけではなく、寒い季節になれば、白菜漬け(白菜の塩漬け)にも利用できます。
今回使った10Lの漬物樽なら、中くらいの白菜を2株まで漬けることができます。
梅干し作りのためにプラスチックの漬物樽や重石、漬物袋を買った方は、ぜひ有効活用してみてください。
機会があれば、白菜漬けのコツもご紹介してみたいと思います。