鉄中華鍋は空焼き作業が必須
鉄中華鍋を十年越しくらいで欲しかったのですが(笑)、ついに買ってしまいました。
当サイト管理人が購入したのは、EBM(江部松商事)のブルーテンパー片手中華鍋(30cm)。
Amazonで2300円くらいでした。
普通の鉄製片手中華鍋、いわゆる北京鍋というやつですが、通常使われる鉄板よりも錆に強く、油なじみが良い、ブルーテンパー材という鉄板を使っているとのこと。
Amazonでは多くの鉄中華鍋を扱ってますが、値段も安く、レビューも高評価だったので、これに決めました(笑)。
鉄中華鍋といえば、購入してまず真っ先にしなければならないのが、空焼き作業。
なぜかというと、鉄中華鍋には、流通・販売段階で商品に錆が出ないよう、錆止め塗装(ほとんどがクリヤラッカーという塗料)が施されています。
この錆止め塗装を高火力のガス火で焼き切って、鉄の地肌を出さないと、実際の調理に使えるようにはならないんです。
実際の空焼き作業ですが、これがけっこう面倒で、管理人のような小心者にはドキドキする作業なのです。
なぜかというと、鉄中華鍋を、高火力のガス火で最低でも20~30分ていどは空焼きし続けるという、ふだんなら絶対にしてはいけないことだからです。
白煙とかも出てきますし、鍋がものすごく熱くなるので、作業中は絶対に目を離さず、注意して行わないと、大惨事になる可能性だって無きにしもあらずです。
IHヒーターはもちろんですが、最近主流のセンサー付きガスコンロのような安全装置が付いているコンロでは、鉄中華鍋の錆止め塗装を焼き切るのはほぼ不可能です。
幸いなことに、我が家のガスコンロは昔ながらのセンサー無しなので、問題なく空焼き作業を行うことができました。
空焼き作業の手順
参考になるかどうかわかりませんが、これから初めて中華鍋の空焼きをしてみたいという方のために、その過程を簡単にメモしてみます。
まず、購入した鉄中華鍋を洗剤をつけてよく洗います。
この時点で、特に調理面に汚れが残ったままだと、空焼き後に汚れの部分だけ、あざのようにあとになって残ってしまうこともあるので注意してください。
管理人の場合、鍋底に貼ってある紙パッケージのセロハンテープの粘着部分をきれいにこすり落とさなかったので、あざのようになってしまいました(笑)。
鉄中華鍋を洗ったら、ふきんやタオルで水気を拭き取ってから、ガスコンロにかけます。
錆止め塗装が気化して白煙が出てくるので、空焼きが終わるまで、換気扇をつけっぱなしにして作業してください。
また、いつでも中華鍋の持ち手(柄)を掴めるように、鍋つかみやコゲてもいいタオルを片手に持っていてください。
最初は中火くらいにしておくと、ものの数分もしない間に、底面の錆止め塗装が気化して白煙が出始め、ガスコンロの炎の位置をなぞるように、底面の色が変わっていきます。
底面の色の変化がなかなか進まない場合は、火力を強くしてください。
底面全体の色がだいたい変わったら、今度は最強火にして、中華鍋の側面全体を空焼きしていきます。
底面の錆止め塗装はわりと簡単に焼き切れますが、難しいのは側面です。
ただガスコンロにのせているだけでは、側面の錆止め塗装は焼き切れません。
側面部分に炎がダイレクトに当たるように、中華鍋を傾けたり、位置をずらしたりしてください。
この側面の空焼きがうまくいくかどうかで、空焼きにかかる時間が決まります。
鉄中華鍋側面の錆止め塗装は、火力が弱いととても焼き切れないので、危なくない程度の最大火力で空焼きしてください。
コツとしては、家庭用コンロは中心部分に炎がないので、炎の部分、それも炎の先端に中華鍋の側面が当たるように工夫すると、錆止め塗装が早く気化して、側面の色が変わります。
鉄中華鍋全体の色が青白く変わったら、錆止め塗装は焼き切れているので、コンロの火を消してください。
最初は異臭だった中華鍋が焼ける臭いも、全体の錆止め塗装が焼き切れると、お好み焼き屋さんや鉄板焼き屋さんの鉄板が焼けるような良い匂いに変わってくるので、匂いも目安になると思います。
管理人の場合、側面の空焼きに少し手間取ったので、所要時間は約25分くらいでした。
中華鍋を自然放置(ここ大事!)して、あるていど冷めるまで待ちます。
洗えるくらいまで冷めたら、洗剤をつけてもう一度洗います。
洗い終わったら、ふきんやタオルで水気を拭き取り、ガスコンロにかけて、軽く煙が出るまで空焼きし、水気を飛ばします。
一般的には、ここで多めの油を加えて、クズ野菜を炒めて、中華鍋全体に油をなじませるのですが、私は面倒なのでしませんでした(笑)。
その代り、空焼きした鉄中華鍋が火傷しない程度に熱々の状態まで冷めたところで、子さじ1~2杯ていどの油を入れて、キッチンペーパーで調理面全体にのばします。
調理面全体に油をのばしたら、今度は新しいキッチンペーパーで、油のべとつきがなくなり、指で触っても油を感じなくなるくらいまで、丁寧に拭き取ります。
拭き取ったキッチンペーパーを見ると、薄紫色に染まっていました。
最初のうちは、調理が終わって鍋を洗うたびに、空焼きして油を塗り、拭き取る作業を行ったほうがいいと思います。
2~3回ほど調理に使うと、中華鍋に塗った油を拭き取ったキッチンペーパーを見ても、もう色はつかなくなります。
これで、空焼き作業は終了です。
出来上がりはこんな感じ。
ちなみに、せっかく空焼きが終わって、中華鍋が青白く輝いているのに、中華鍋に油を引いた状態であまりにも高温に熱すると、油が焦げて、調理面が茶色になってしまうかもしれません。
そういう場合は、もう一度空焼き作業を行うと、茶色の焦げが気化して、再びきれいな青白い色に戻ります。
鉄炒め鍋もおすすめ
すでに説明しましたが、センサー付きガスコンロやIHヒーターをお使いの方は、錆止め塗装を焼き切ることができないため、クリヤラッカーで塗装されている通常の鉄中華鍋は、そのままでは使えません。
どうしてもという場合は、カセットコンロやガスバーナー使って錆止め塗装を焼き切るという方法もありますが、カセットコンロの場合、空焼き中の鍋の熱でガスボンベの温度が急上昇し、爆発という危険性もないわけではないので、ぜひ注意して行ってください。
空焼き作業ができない、したくないという方におすすめなのが、鉄炒め鍋です。
炒め鍋とは、中華鍋の丸底部分を真っ平らにした形のフライパン。
たとえるなら、中華鍋とフライパンが結婚して生まれた、両方のいいとこ取りのハーフといった感じ。
底が真っ平らなので、IHヒーターでも使えますし、家庭のガスコンロでも座りが良いです。
また、鉄炒め鍋は食品衛生法で許可されたシリコンで錆止め塗装された製品が多いので、そういう製品なら空焼き作業しなくても、そのまま使うことができます。
シリコンは鍋を使っていく中で少しずつはがれていきますが、口に入っても人体には無害です。
中には、窒化加工といって、錆びにくい特殊処理が施された鉄炒め鍋製品もあります。
窒化加工された製品なら、錆止め塗装無しで販売されているので、テフロン加工フライパンのように、買ってきてすぐに使うことができます。
窒化加工された鉄炒め鍋製品はまだそれほど多くありませんが、リバーライトの極ジャパン炒め鍋、ビタクラフトのスーパー 鉄炒め鍋ウォックパン、東急ハンズオリジナルから焼不要鉄炒め鍋などがあります。
管理人的には、東急ハンズオリジナルの鉄炒め鍋が比較的安く、製造元はリバーライトなのでおすすめです。
ちなみに、今回管理人が中華鍋と一緒に買った中華お玉も、リバーライトの窒化加工中華お玉。
中華お玉も、鉄製はお玉部分を空焼きしなければいけませんが、窒化加工なので空焼きの必要もなく、使用後の手入れも、洗えば自然乾燥でいいので楽ちんです。
中華お玉の手入れが面倒くさい方は、ステンレス製か窒化加工製品がおすすめです。
なお、鉄炒め鍋は、同サイズの中華鍋よりも少し重い(数百グラムていど)のがデメリット。
というのも、一般的な中華鍋の鉄板の厚みは1.2mmなのですが、鉄炒め鍋の厚みは一般的な鉄フライパンと同じく、1.6mmの製品が多いので、形は中華鍋寄りですが、使用されている鉄板は鉄フライパン寄りなんです。
なので、非力な女性が頻繁に鍋を振ったり、あおったりするような使い方には向いていないと思います。
それさえ除けば、鉄炒め鍋はセンサー付きガスコンロやIHヒーターでも使える、中華鍋に代わる調理器具として最適だと思います。